実家に帰って暇だったので、昔読んだ小説を漁ってたら出てきた本。
久しぶりに読んだけどやっぱり面白かったです。
基本的には色々な患者が精神科医である伊良部先生のところにやってきて、ドタバタ劇を繰り広げながら治療していく話。
この本の凄いところはエンターテイメントとして楽しめることですね。
純文学っていうよりも漫画と同じ手軽さで読める。
でも、それって凄いことだなと。
マンガっていう視覚効果を使っていて気軽に読めるものだけど、それを小説の文字だけでやってしまうわけなので(自分的には伊坂幸太郎さんの小説とかもそんな感じ。もちろん、伊坂さんの小説は大好きです)。
患者の人も色々な人が来ます。
精神科だから他のところで手に負えない患者さんがまわされてくる。そして、患者さんはみんな深刻…バカバカしい内容なんだけど深刻なんです。
でも、このバカバカしいけど深刻なところがすごい感情移入できるんですよね。
自分もちょっとしたボタンのかけ違いでこんな風になっちゃうのかなって。
いや、むしろボタンなんかかけ違わなくてもこんな風に精神科に通うようになることだっていくらでもあるんじゃないかな。
そんな時に伊良部先生みたいな人に会えたらいーだろーな(いいのか?w)
自分も社会人生活をしてきた中でパワハラまがいのことを受けたこともあるけれど(いや、今思い返すとあれは完全にまがいじゃなくてパワハラだと思いますがw)、その時の自分を振り返ると結構色々とヤバかったなと思い出しました…。
誰にでもタイミングや環境によって疲れるときってあると思います。
そんな時に、読むだけで少し回復した気になれる本だと思います。
ちなみに自分は二作目の『空中ブランコ』の空中ブランコのほうがオススメですかね。