6月、7月と仕事が多忙過ぎて、せめて電車の中だけでも旅をしたい…。
そんな気持ちに駆られて、ついついキンドルでポチッと。
高野秀行さんの処女作。
『幻獣ムベンベを追え』
実はそこまで旅行記みたいな本が好きな訳ではなくて、高野秀行さんもキンドルで本を漁ってたらたまたま発見しただけ。
旅行記なんて、「深夜特急」と小さい頃に読んだ「ファーブル昆虫記」と「シートン動物記」だけ(いや、うしろの2つは旅行記じゃないかw)。
でも、面白かったです。
処女作ってこともあって、読ませる名文だとかテンポのいい文章ってわけじゃない。
むしろ、どちらかと言えばちょっと青臭い文章(学生特有の斜に構えた感じ?)。
けど、何が面白いって『幻獣ムベンベ』を追いにアフリカまで行ってしまう行動力(企画力)。
行ったのは今から20年ぐらい前かな?高野さんが大学生の時。
コンゴのテレ湖にグループを作って向かったんだけど、20年前にコンゴに行くことだって凄いのに、その後ジャングルの奥地にあるテレ湖まで向かうという…。
本にも書いてあるけど、その時にコンゴの情報なんてほとんど日本にない。
今でこそ、インターネットでいくらだって情報は入るけど、20年前のコンゴなんて秘境だっただろうなw
自分が初めてバックパックをしたのは今から十年以上前。
その時ですら、スマホなんて無かったから、インターネットカフェで印刷したもの(今みたいに内容が充実していたわけでもないしね)と地球の歩き方が全てだった。
あとは旅先で知り合った旅人からの情報。
それで目的地にたどり着けた時は凄く感動したし、面白かった。
もちろん、「今のスマホ全盛の旅が面白くなくて昔は良かったなぁ」なんて言うつもりは毛頭ない。その時代その時代の良さが旅にはあるからね。
そんな自分よりも更に前…携帯電話すら無かった時代…今からじゃ想像できなくないけど、実践できないだろうなw
でも、高野さんの凄いところは、無茶苦茶な企画でありながら、ちゃんと向こうの語学を勉強したり、政府を巻き込んだりと準備が周到なところ。
まあ、ただのバックパックじゃなくて『幻獣ムベンベ』を探すことが目的ですからね。
今年の夏にどこに旅行に行こうか悩んでいる人や旅行に行けないから旅の情熱を本からでも感じたいという人にはオススメです。
ちなみに『幻獣ムベンベ』とはなんぞや!見つけられたのか!っていうのを知りたい方は是非本書を読んでみてくださいw