著者:池上彰
出版社:海竜社
最近、実家の整理をしていて家にある大量の本をメルカリに出品しているんですが、そのうち「あれ、こんな本買ってたっけ?」みたいな本を読み直しています。
人(自分)の記憶って本当に大したことないですよねw
まあ、題名通り政治とは何かという本。
30代になってボンヤリと政治というものは分かって来たものの、改めて「政治のこと分かってるの?」って聞かれたら自信をもって答えられないなと思い、読み返すことに。
まあ、内閣組閣のタイミングで改めて政治について学ぶいい機会でした。
いくつか個人的に気になったところをメモすると。
①選挙について。
「小選挙区制だと「死票」が増えるため、政党の得票率に応じて議席が配分されるので、比例代表制が合わせて導入された。」
これについては選挙制度の基本ですが、改めてなるほど。
現在の民主主義自体は完璧な制度ではないですが、少しでも多くの民意を政治に反映させようというのは長い歴史の中で重要なことですからね。
②議員への候補者について
「イギリスやアメリカは候補者本人には費用がほとんどかからないのに対して、日本はかなりの費用がかかる。
その違いはイギリスやアメリカではこの人を代表にしたいとまわりがボランティアで政治活動をしてくれる。日本では出たい人が出る。」
この点については、大きな違いですね。
本来、リーダーというのはそういった形で選ばれるべき。
そういえば、小さい頃から学級委員とか立候補だったもんなと…そういった意味では日本の政治制度(意識的な部分も含めて)は成熟していないのかもしれませんね。
③日本の中央省庁は開発途上国型
「開発途上国では、一番のエリートはみんな役人になります。
本当はそうではなく、優秀な人は民間企業に行き、日本の発展のために力を尽くす。あるいは国会議員になり、日本のあるべき姿のグランドデザインを描き、完了は言われた通りのことをする。これが先進国型です。」
んー、なるほど…。
個人的にはこれが必ずしも先進国型を見習うべきかというと疑問かなと。
本でも話している通り、政治家の方々(政策秘書含む)が政策をつくり、法律をつくれる技量が前提の話なのではないかと。
実際に国の舵取りをしているのは官僚の方々で(一部報道されるような方を除けば本当に優秀な方々だと思います。)、その人たちが優秀でなくなると言うのは少し怖い気がしますしね。
個人的には、官僚の方々も民間企業との相互に転職をし合うような風土があるといいなと。
違う土壌で培った技能や考え方を組織に取り入れることは凄く大切だと思うんですけどね…。
④ネット選挙について
これについては、本を読みながら思ったことです。
選挙の投票率って重要なことであり、民主主義の根幹です。
ただ、選挙ってすごくめんどくさい。
最近は期日前とかできて、選挙行きやすくはなったし、どんどん簡便化されているのは事実。
ただ、これだけネットの発達した世の中でかつそれに慣れてしまっている人達からすると、わざわざ行って投票するという行為がめんどくさい。
そこで、ネットで投票できたらなと。
ただ、もちろん投票についてプライバシーの保護だったり、不正がない仕組みづくりが重要だということはわかります。
これは実際に選挙に行った人ならわかると思うけど、「誰が誰に投票したか」「不正な投票がないか」については物凄く厳格に対処されています。
これに対して、ネット選挙の問題点としては…
- 匿名性が担保できるか
- 投票結果が不正操作されないか
- 同じ人が2度投票できるか
等々。
これに対して、ふと思ったのがブロックチェーン技術を使って、ネット選挙ができないか?ということ。
ブロックチェーン技術は分散型ネットワークと呼ばれている通り、不正改竄ができない。(実際はどーなのかというのはありますが)
これはうまく使えばネット選挙を可能とするんじゃないのか!なんて思っていたら、すでに試みがなされていましたw
つくば市、ブロックチェーンで国内初のネット投票: 日本経済新聞r.nikkei.com
さすがつくば市ですね。
他の海外でも実際に実験が行われているみたいです。
問題や批判はあるとは思いますが、こういった新しい取り組みは未来を感じるし、応援していきたいですね。