なすが食べられるようになりました。

30代共働き庶民のサラリーマンです。育児と趣味(ファッション・読書・映画・旅行・アウトドアなど)と時々仕事についての覚え書き。

どう解決していくのがいいのか。【読書録】AI vs. 教科書が読めない子どもたち


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ついに安倍首相も体調を崩されてしまったようですね。

安倍政権の政策には賛否はあれど、エビデンスに基づいて政策をたてていくというのが以前に比べてなされていたのではないかというのが個人的な評価ですかね(もちろん自分が政策について関心を持つようになったからそう感じるだけの可能性は大いにありますが)。

 

しかしながら、やはり政治家(与党)は癒着だらけだなというのを国民にイメージさせてしまったというのは大きなマイナスポイントだと思います。

せっかく昔に比べてクリーンな政治になってきたのかなと思っていたところですが、やっぱり実態は変わっていないのかと政治不信を招いたことのダメージは大きいなと。

このあたりは次期総裁がどのように対応していくのか見ものですね。

退任したから有耶無耶というふうにはしては欲しくないと思います。

(とちょっと前に下書きをしていたら菅さんに決まっていましたねw)

 

さて、前置きが長くなりましたが本題に。

最近、仕事の関係からか教育関係の本を意識的に読むようにしていまして、本日はその中の一冊。

 

 

 

 

たまたまキンドルで見つけたので、ポチッと。

 

題名にあるようなVSというよりも、対比に着目して描かれています。

 

 

 

1.現在のAIについて

割とちょくちょくAIについての本は読んではいたのですが、個人的にはAIを理解する上で一番分かりやすく説明がされていたように思います。

 

本書の著者は「東ロボくん」といって、東大を受かるAIを作ろうというプロジェクトの第一人者。(ちなみに東ロボくん自体は今のAIは東大に合格できる能力があるんだぞと誇示するためのもの(シンギュラリティ的なね)かと思ったのですが、そんなことはなくもっともな理由を目的にしています。)

 

それだけに実際のAIを作る苦労をもとに書かれています。

 

そんな著者が冒頭でAIはまだどこにも存在していないと言い切るところからはじまります。

 

ちょっと長いですが、引用させてもらうと…

 実は「AIはまだどこにも存在していない」ということです。AIはartificial intelligenceの略です。一般的な和訳は人工知能で、知能を持ったコンピューターという意味で使われています。 人工知能と言うからには、人間の一般的な知能とまったく同じとまでは言わなくても、それと同等レベルの能力のある知能でなければなりません。基本的にコンピューターがしているのは計算です。もっと正直に言えば四則演算です。言い換えると、人工知能の目標とは、人間の知的活動を四則演算で表現するか、表現できていると私たち人間が感じる程度に近づけることなのです。 人工知能の実現には2つの方法論があります。逆に言うと2つしか方法論はありません。一つは、まず人間の知能の原理を数学的に解明して、それを工学的に再現するという方法でしょう。もう一つは、人間の知能の原理はわからないけれど、あれこれ工学的に試したら、ある日、「おやっ! いつの間にか人工知能ができちゃった」という方法です。

 

まず、AIの基となるコンピューターができることは四則演算であること。

 

つまり、それ以上のことが今現在のコンピュータ=AIでは不可能だということです。

 

数学で表せないことはAIでも表すことができないということ。

だからこそ、数学者である著者がプロジェクトを行っているわけです。

 

じゃあ、コンピュータで表せる数学とは何か。

これが論理、確率、統計

 

つまり、それ以外のものはAIでは表せないということ。

いやー、分かりやすいですね。

 

なので、AIで統計や確率を用いてチェスなんかのトップになれたり、画像診断でガンを発見できたりすることはできるものの、「あなたが好き」と「カレーが好き」の意味の違いを理解させるということは相当難しいと言うことです。

 

自分は家でAmazon Echoを利用しているのですが、確かに答えられる問題と答えられない問題がはっきりしてるなーと。

ただ、たまにユーモア溢れる回答を返してくるのでAIって完成しつつある?と思うのも事実ですが、そのあたりは開発者のユーモアなのでしょうw

 

 

2.現在の子どもたちについて

ここまでであれば、AIに関する分かりやすい本といった位置づけなのですが、この子どもたちに関する考察。

これがこの本が売れた理由でしょう。

 

(AIに仕事が奪われたあとに) 「残る仕事」の共通点を探してみると、コミュニケーション能力や理解力を求められる仕事や、介護や畦の草抜きのような柔軟な判断力が求められる肉体労働が多そうです。AIでは肩代わりできなさそうな仕事なのですから当然ですが、それは第2章で見てきたAIに不得意な分野と合致します。つまり、高度な読解力と常識、加えて人間らしい柔軟な判断が要求される分野です。

 

本書で書かれている通り、よく新卒採用で言われるコミュニケーション能力や判断能力といった力が今後必要になってきます。

 

しかしながら、今の若い子達に圧倒的に読解力が足りていない。

本書の題名通り、教科書の記述が正確に読み取れない子が増えているというのが本書の指摘となっています。

 

いやー、結構目からウロコでした。

書いてある文章が正確に読めないということ。

 

英語の和訳を間違える感覚で日本語が読めない感覚に近いのでしょうか。

 

今、2年目の男の子を教えてるのですが(1年目の際の教育係は自分ではないです)、書いてあることが理解出来ないことが非常に多いなと感じています。

マニュアルをみてもその通りに仕事が出来ない。

最初は知識不足や慣れかなとも思ったのですが、そーゆーわけでもなさそうで…なかなか苦労しているところでもあります。

 

実際にマニュアルを読めないところが問題なのか、理解するための知識が欠如しているのか、行動に移すことが問題なのか…どこが問題なのかで解決策(教育方法)も変わってきますからね。

自分の会社には教育のシステム化がなされていないと感じられることが多いので、このあたりは、本書を参考に試行錯誤していくしかないと考えています。

 

と、まあ偉そうなことを言っていますが、自分が若手のときはそんなもんだったなーとw

ダメな1年目だったので非常に良く怒られていましたw

というわけで、長い目で怒らず、焦らずじっくりと教えていきたいなと思っています。

 

さて、一般論に戻って。

問題はこの能力(記述を正確に読み取る)をどういうふうに「教育」や「学習」していくかということ。

 

これについては、後輩の教育と同じで、実際の学校や塾などの教育現場でも試行錯誤していくしかないのかなと思います。

その試行錯誤の結果が論文や書籍化としてある程度体系化されるでしょうし。

 

ただ、今回の本の中では相関関係がなかったと否定されていますが、やはり一番には本を読むことではないかなと思います。

それも精読ですかね(もちろん、相関関係を否定するわけではないですが、個人的には読書をせずには読解力が養われないのではと思っています。このあたりもう少し調査してみて欲しいですね)。

 

今の子達のまわりにはYouTubeやインスタがあるからこそ、余計に文字情報に弱いのかもしれません。

 

 

3.まとめ 

どちらかというとAIの部分に興味があって購入したのですが、むしろ今の子どもたちについての記述が勉強になりました。

今後、パソコンやスマホなしに仕事をするのが想像できないように、AIなしの仕事は考えられなくなるのでしょう。

ただ、その時に備えてAIに振り回されるのではなく「価値の判断」ができる人間でありたいなと思いました。

また同時に今の若い子達にもそう合ってほしいなと思います。

少なくとも教科書を読んで学べる子達が増えて欲しいなと。

本当に教育って大変だなぁ。