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30代共働き庶民のサラリーマンです。ファッションや読書や映画や旅行やアウトドアなどについての覚え書き。

大切なのは理解と尊敬。【映画感想】グリーンブック/ピーター・ファレリー


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最近もっぱらユーチューブにはまっていまして、全然映画を見ていなくて…。

 

久しぶりにちゃんと映画を見ました。

 

やっぱりいいですね、映画。

 

ユーチューブはユーチューブで面白いですが、映画はやはり違うものだなーと。

ユーチューブはテレビの代替にはなり得るけれど、映画の代替にはなり得ないなというのが自分の今の認識です。

 

そして、今回の作品はやっぱり改めて映画はいいなと思わせてくれるいい作品でした。

 

 

今回観た作品はこちら。

 

 

第91 回アカデミー作品賞を受賞しています。

 

つい最近読んだ「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」とかなりかぶる部分も多く、興味深く観れました。

 

 

以下、あらすじになります(ここからはネタバレありです)。

人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカ南部を舞台に、黒人ジャズピアニストとイタリア系白人運転手の2人が旅を続けるなかで友情を深めていく姿を、実話をもとに描き、第91回アカデミー作品賞1962年、ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップは、粗野で無教養だが口が達者で、何かと周囲から頼りにされていた。クラブが改装のため閉鎖になり、しばらくの間、無職になってしまったトニーは、南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーに運転手として雇われる。黒人差別が色濃い南部へ、あえてツアーにでかけようとするドクター・シャーリーと、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに、その旅に同行することになったトニー。出自も性格も全く異なる2人は、当初は衝突を繰り返すものの、次第に友情を築いていく。(映画.comより引用)

 

 

 

 

1.グリーンブックとは

この作品の題名ともなっていますが、グリーンブックとは実際にあったものなんですね。

 

しかしながら、グリーンブック自体は差別を助長するようなものではなく、黒人の自動車所有者が快適に旅行ができるように創刊されたガイドブックのようなもの。

 

ウィキペディアにも記載があります。

黒人ドライバーのためのグリーン・ブック - Wikipedia

 

劇中では全く説明されないのでアメリカの歴史では結構有名なものなんですかね。

 

 

2.カッコいい友情

この映画の見どころはここに尽きるなーと。

トニーはイタリア系移民で教養はあまりないけど、口達者で腕っぷしがあり、ドクターは黒人で教養があって高貴という言葉が似合う…。

こんな二人なので全く最初からウマがあわない。

まあ、そもそもトニーに至っては黒人差別を持っていますしね。

でも、この二人がぶつかり合いながらも理解し合い、尊敬し合い、友情を育んでいく。

 

何がいいかって、いい中年のおっさん同士が友情を育むところ。

しかも初対面で全く打ち解けていないのにです。

 

おじさんになって分かるんですけど、おじさんになると価値観が固まってくることが多く、自分の価値観を崩して相手をみとめることが難しくなってくるんですよね。

特に初対面で合わない人とは特に。

 

だからこそ、環境も人種(特にこの時代)も性格も違う二人がお互いを認めて友情を育むこと。

ここが何よりも素晴らしい。

 

育ってきた環境や人種や性格など全てを超えて、人は人を理解出来るし、尊敬できる。

そんなメッセージがこの映画から感じられました。

 

これこそ、エンパシーですよねと。

 

 

3.差別について

この映画のテーマの一つとなる差別。

主に人種差別について描かれていますが、それがまさにこの時代の差別なんだなと。

 

それは、全員が当たり前のように差別をしているということ。

言い換えれば、差別の意識がないということですね。

 

これが、この時代の差別なんだなと改めて思い知らされました。

今の時代だと「差別主義」の人たちがいて、差別をするイメージがありますが、この時代はそうではないということ。

 

普通の良識ある人達が当たり前のようにそれを行うことの怖さですよね(法律で明文化されている怖さでもありますね)。

 

まあ、現状は逆に法律で明文化されていなからこそ、現状をつぶさに捉えて差別をなくしていかなければいけない段階にきているのでしょう。

 

 

4.問題視されない差別について

劇中では、黒人差別について大きなテーマとして描かれていますが、その中で2つの問題視されない差別についても描かれています。

 

それは同性愛とイタリア系移民への差別。

ドクターが同性愛をしているところを警察に見つかり、捕まってしまうシーンがありました。

 

黒人差別には徹底的に毅然と戦っていたドクターでさえ、同性愛にはトニーにも見られたくなかったと。

 

徐々にLGBTやクィアということで、問題視されるようになってきたのは本当にここ10年、20年ぐらいではないでしょうか。

(自分の記憶では金八先生の上戸彩ですかね。)

 

今でもなかなかオープンにとはいかないかもしれません。

ましてや、この時代の米国ではタブー中のタブーでしょう。

(映画のイミテーションゲームでアラン・チューリングは刑罰を受けていましたしね…。)

 

また、トニーのイタリア系移民に対する差別もあります。

トニーもおそらくそれは自覚をしていて、敢えてアメリカ人が発音しにくいフルネームで呼ばれることにこだわります。

差別の内容としても問題としても、黒人差別よりもイタリア系移民への蔑視については小さかったため、大きくは取り上げられなかったのでしょうが、それは事実として「存在」していました。

それが警官からの「半分ニガー」という言葉に現れており、トニーはそのことに我慢できなかったのでしょう。

 

これは現代でも同様で、例えばアメリカでも黒人差別は大きな社会問題としてとりあげられていますが、メキシコ系移民の人やアジア人やインディアンに対する差別については大きく取り上げられません。

もちろん、日本にも当てはまることで、もしかしたら自分達が差別だと問題視していない差別があるかもしれません。

 

トニーの言うとおり、「世界は複雑だ」ということを忘れることなく、それでも事実と正しい知識を養うことで、差別のない世の中にしていきたいですよね

 

 

5.まとめ

久しぶりに映画を見ましたが見ごたえがありました。

まあ、実はアカデミー賞をとった際にスタッフが白人ばかりであったりと色々と本国では物議を醸していたみたいですが、映画の内容は素晴らしかったです。

 

ちなみにドクターを演じたマハーシャラ・アリはムーンライトにも出演していて助演男優賞を受賞しているんですね(ムーンライトもいい映画ですよね)。

この方の出演作品が今後も楽しみです。

 

テーマとしてはなかなか重いテーマですが、非常にテンポよく、後味が悪くなくみられるいい映画でした。

是非とも「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」とセットで観ることをオススメします!w