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トランプ政権までのアメリカの現状がよく分かる【読書感想】グローバル資本主義VSアメリカ人/篠原匡


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日本では2度目の緊急事態宣言がなされ、アメリカではトランプ派の議会占拠。

まるでクーデターでした。

まあ、さすがにトランプ氏も政権を移行する発表をしましたが…。

今年もなかなか激動な年になりそうですね。

 

さて、振り返って昨年度。

コロナ渦からのBlack lives matter。

そしてその後の大統領選から現在のトランプ氏の状況。

昨年は日本も色々ありましたが、アメリカも色々あった年だったと思います。

 

そんなバタバタと動いていたアメリカの現状を知ろうと購入した本。

でしたが、なんだかんだで読むのが年末になってしまいました(ブログを書き上げたのは今年になっちゃいましたw)。

 

グローバル資本主義VSアメリカ人

グローバル資本主義VSアメリカ人

  • 作者:篠原 匡
  • 発売日: 2020/02/06
  • メディア: Kindle版
 

 

 

現代のアメリカを生きる人を通して、アメリカの社会・経済を浮き彫りにした本作品。

 

華やかなアメリカの「B面」がみられて、とても勉強になりました。

 

現在、至るところで噴き出している問題の多くがグローバル資本主義が浸透した結果だと考えたことによる。一人ひとりの人生が大きく変わったのも、グローバリゼーションの進展や冷戦の集結、新自由主義の進展や人・モノ・カネの自由化の影響だ。そういった過去30年の変化をグローバル資本主義という言葉に込めた。

 

アメリカだけでなく日本も影響を受けた新自由主義

その結果がじわじわとアメリカという国を変えてきたのでしょう。

 

トランプ大統領の誕生はあくまで現象であり原因ではない。そして、その原因は冷戦崩壊後の米国の歩みと米国人一人ひとりの環境変化にある。格差や米国流の株式資本主義、人口動態の変化(白人のマイノリティ化)といった根本的な要因が変わらない以上、トランプを支持した声はなくならない。彼を批判さる民主党の左傾化も止まらないだろう。

 

トランプ大統領の出現は、ある意味時代の流れということでしょう。

特に、大統領や首相といった国のトップはその時代背景が大きく影響しています。

もちろん、その後の政策の結果は個人や政党の能力に依存してしまうとは思いますが。

 

 

 

B面として、本書に取り上げられているもので、気になった点をいくつかメモしておきたいと思います。

 

 

 

1.移民問題とプアホワイトの存在

米国という国は経済と国家のインフラを世界中に開放して優秀な人材を集め、使ってもらうことで国を繁栄させていく戦略をとっています。

なので移民についても基本的には厳しくなかったと思います。

 

しかしながら、過去の歴史として、不法移民(恐らく移民も含めて)が入ってきたことで、今まで働いていた人達の全体の賃金が下がったり、仕事を失ったりしています。

特に製造業などの白人がその打撃を受けており、プアホワイトという形で米国の新しい問題の一つとなっています。

この人たちが支持した人物こそ、トランプで自国第一主義でもあり、メキシコなどとの国境を厳しく制限した流れになります。(もちろん、国境を超えた薬物などの違法輸入なども問題ではあるでしょうけども)

 

この人たちを含めた貧困への対策がバイデン政権でうまくいくように願いたいですね。

 

 

2.教育

どこの国でも教育はとても大切で、教育改革は常に議論をされています。

日本でもギガスクールや1学級の生徒数を少なくするなどの方針が進められています。

もちろん、それは米国でも行われています。

 

レーガン政権は教育改革を国家戦略に位置づけた。それ以降の政権も、教育改革を政策の柱にすえている。

その方向性は、大きく言うと、学校に対する競争原理の導入とテストによる学校評価。その一翼を担ったのはチャータースクールである。チャータースクールとは公立校の一種で、補助金を受け取るが運営自体は民間企業やNPOという形態を取る小中学校のことだ。

 

また、併せてバウチャー制度を導入しています。

 

バウチャー制度とは公立校に通う低所得者の生徒を対象にクーポン券(バウチャー)を支給、チャーターや私立の学校を選べるようにするもの。

 

というわけで、一般の公立校の競争力はどんどん下がってしまう。

しかも、それに加えて米国の教育予算は固定資産税が財源の半分を占めることから、裕福な地域ほど教育予算が潤沢になってしまうため、貧困地域の公立校はかなり厳しくなってしまいます。

 

それに対して、プログレッシブ教育を導入し、改革をしてきた学校をとりあげています。

 

本書に書かれている通り、教育の成果を何と捉えるかが非常に難しいですよね。

学力の向上なのか、生きる力の構築なのか、民主主義を支える優れた市民の育成なのか…。

 

ただ、学校教育だけで全ての教育を賄うのは難しいですよね…。

やはりまずは地域の参画が必要(そういう認識から)であるとともに、家庭での教育とその他の社会教育を見直していくことが必要なのかと。

「教育=学校と先生」だけという考え方を払拭して、「どの教育を」「誰か担うのか」を明確にしていき、社会全体で支えていく必要があるのかもしれません。

 

また、ネイティブアメリカンの地域では、補助金を活用して、教師の初任給をあげたところ、優秀な教師が集まり、好循環がうまれた。

日本においても、教師の待遇改善が議論されていますが、実験的にこのような思い切った政策を行ってみるのも面白いかもしれません。

 

 

3.宗教とメガチャーチ

日本と米国の大きな違いに宗教の強さがありますよね。

 

伝統的な中小の教会が廃れていく一方で、社会のニーズを積極的に対応しようとしているメガチャーチ。貧弱なセーフティネットを教会が支えるという米国の構図は今に始まっまたことではないが、社会のゆがみが拡大する中でメガチャーチの果たす役割は増している。コミニュティの相互扶助という本来の姿に戻りつつあるのであれば、それは歓迎すべき話だろう。

 

日本社会でも同様に「地域のコミュニティ」が急速に消失していくことが一つの問題になっています。

それは、人口減少や少子高齢化はもちろんのこと、単独世代の増加もあげられるでしょう。

個人的には「新自由主義」と「相対主義(個人的には主張したもの勝ちみたいに捉えています…違ったらすみません)」の風潮が浸透したことも大きな理由の一つではないかと思います。

 

アメリカでは受け皿としての教会がある一方で、日本ではどうでしょうか。

もちろん、行政が救いの手を伸ばすことは当然ですが、どうしても法令上の問題により、漏れてしまう人たちが出てきてしまいます(また、予算や法令の整備の関係でどうしても救うスピードが遅くなってしまいます)。

NPOやボランティア団体が頑張ってくれていますが、「寝る場所」を用意するとなるとかなり予算が必要となってくるため、難しいと思います(もちろん、そういったことを行っている団体もいて凄いなと思います)。

 

そうなると、日本の宗教法人は誰を救っているのでしょうか。

本書でも記載の通り、メガチャーチが全てにおいて「良い」とは評価をくだしていません。

ただ、税金の免除を受けている中で、もう一度日本の宗教法人を見直してもいいのかなと思いました(もちろん、色々な活動を試みている宗教法人もあります)。

 

 

4.まとめ

アメリカの「B面」と言うとおり、華やかではないアメリカのリアルを知ることができました。

個々の人たちの生活を通して、アメリカの問題を浮かび上がらせる良書でしたね。

今後、バイデン政権がどのように内政問題に取り組んでいくのかは気になるところです。

現在のアメリカのリアルを知りたい人は是非一度読むことをおススメします。