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30代共働き庶民のサラリーマンです。ファッションや読書や映画や旅行やアウトドアなどについての覚え書き。

個々は悪い人じゃないのにどうしても成果がでないことないですか?【読書感想】両利きの組織をつくるー大企業病を打破する「攻めと守りの経営」ー/加藤雅則


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オリンピック開催について揉めていますねぇ~。

個人的には、オリンピックを開催することで「誰が儲かって」それが「国の利益にどう繋がるのか」が知りたいなと。

または、「誰が損をして」それが「国の損益にどう繋がるのか」が知りたいと思っています。

 

今回のコロナからの一連の騒動をみても、企業と政治に「癒着がない」なんて思っている人はいないんじゃないかな。

もちろん、クリーンな政治であってもらいたいけど、オリンピックについて言えば、オリンピックのために色々と我慢を強いられてる(今後強いられる)中で、それが誰のために、何のためにやらされているのかを知る権利ぐらいはあってもいいと思う。

 

選手は当然開催してほしいし、国民も開催するなら観てみたいと思う。

ただ、コロナの感染が拡大して、一般生活に影響を及ぼしている中で、「何のためにやるのか」をもう一度明確にしてほしいなと思う今日この頃です。

(オリンピック員会は「オリンピックを実行することを目的とする組織」のため、中止を決定するのは、自己否定に繋がるだろうから、かなり胆力がいるだろうなと思いつつ。)

 

 

さて、前置きが大分長くなりましたが、今回読んだ本はこちら。

 

 

大ヒットベストセラーの両利きの経営を元に、実際のAGCの事例を参考にして分かりやすく解説してくれています。

自分自身は両利きの経営を読んでいないのですが、とても参考になりました。 

 

 

 

 

1.組織が進化するためには異なる2つの組織能力が必要とされる。

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基本的に一貫して書かれているのが、「環境に適用できない組織は死ぬ」。

そのめに組織が進化する必要があるという前提のもと、本書は書かれています。

 

そして、その組織が進化するために必要なもの異なる2つの組織能力です。

 

①既存事業を深堀する能力(exploit)

②新規事業を探索する能力(eplore)

 

両利きの経営とは、企業が長期的な生き残りをかけて、これら相矛盾する能力を同時に追求することができる組織の能力の獲得を目指すもの。

 

そして、そのために必要なものが適切な組織構造とプロセスの設計+組織カルチャーのマネジメントになります。

 

このあたりは、環境に適用できなかった事例としては「コダック」なんかがあげられますよね。

一方で、生き残りをかけて適用した事例としては「富士フィルム」が印象深いですね。

化粧品業界に踏み込むニュースが出た当初は、「富士フィルム」が化粧品??大丈夫かと思ったところでしたが、今では立派な基幹事業になっています。

 

また、トヨタ(時価総額1位)ですら環境に適用するために、スマートシティに取り組んでいたりしますよね。

このあたりは経営陣の危機感や認識なんでしょうかね。

 

まあ、いち従業員として危機感や認識を持つことはできても、このあたりはさすがに経営陣の話(仕事の範囲)ですからねw

 

2.成長企業の最大の壁は自社の「組織カルチャー」

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成長企業の最大の壁となるのは自社の「組織カルチャー」と言われています。

 

これは何故かというと…

・成功した組織は「慣性の力」が働くという運命

成功した組織は、過去の経営環境に過剰に適応してしまった結果、環境が激変する局面では適応できず、衰退してしまうという法則だ。特に大手成熟企業では、PDCAサイクルをベースとした効率性の追求という罠にはまっているケースが多い。

・効率化という轍

効率性は事業の幅を広げることを忘れる。会社を成長させる破壊的な方法よりも短・中期的目標を重視する。しかしながら、常に数値目標を達成するのは難しい。そのため、責任を追及して罰する「非難のカルチャー」が生まれ、管理職はリスクを回避するようになり、改竄が生まれた。

 

このあたりは、実感できる話だなと。

 

特に思い当たるのは日本郵政の「かんぽ生命」の不祥事ですよね。

あれも、短・中期的目標を達成するために無理な販売ノルマを課したから生じた案件でしょう。だまされた人はもちろんのこと、ノルマを受けた販売員も過酷だったでしょう。

余りに大きな目標を達成できないことというのは、経営や計画の段階で大きな誤りがあることであって、部下に(パワハラまがいに)販売ノルマを課すというのは経緯人・管理職が無能だといっているのと同じじゃないかと思います。

 

むしろ、利益があがらない場合は商品開発をする、市場を変えるといった選択肢があっていいと思います。

そして、それを判断し、実行していくための経営者、経営陣であるべきではないでしょうか(それが難しいからこそ、高い給与をもらっているということも含めて)。 

 

そこで、それを実行するための、両利きの経営(探索する能力の獲得)の出番と言うことです。

 

3.組織カルチャーを変えるには

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特に、組織カルチャーをマネジメントする必要があり、ここを変えられると認識し、変えることが重要になります。

 

ちなみにここでいう「組織カルチャー」とは…

 

価値観や

社風ではなく、ある組織内で想定されている(期待されている)「仕事の」やり方(組織特有の行動パターン)であり、「仕事に対する姿勢」のこと。

 

そして、「組織カルチャー」こそ、最も真似されにくい競争の源泉となりうると。

 

それでは、組織カルチャーを変えるためにはどうすればいいのか?

「変革は経営者によるトップダウンとミドル・若手からのボトムアップがミートするところで起こる」

 

  1. 経営者が新しい経営の文脈(コンテキスト)を提示する。
  2. トップからのメッセージに応える形で一部のミドル・若手が反応し、具体的な行動が生まれる。
  3. 経営者は自らメッセージを体現している人を探し出し、そこにスポットライトをあてる。
  4. 組織内で新しい行動事例が共有され、周りに波及し、新しい行動パターンが定着する。

 

この辺りは、実務上でもとても納得感がありますね。

自分の経験上、組織として新しいことに踏み込んだりする場合は何かしらのトップからのメッセージがあって、それに対して新しいことを組み立てていくようなことが多いです。

そして、さらに言えばワーキンググループなど組織の縦割りを超えた中でチームを作り、トップ直轄で進めていったケースがだったなぁと。

 

業務の延長線上の業務改善レベルと異なり、自分の業務を超えているもの、運営にインパクトを与えたり、他部署にまたがるものの場合は突然提案するわけにもいかないですしね(何でお前がこんなことを考えて、提案してきているんだって話になりかねないですからw)。

 

そう意味では本書でも記載されているように、トップを含めた経営陣の役割と言うのはやはり大きいですね。

 

4.組織カルチャーを変える問い

実際に組織カルチャーを変えるための問いは以下になります。

  1. 我々はどういう企業でありたいのか?(経営者のリーダシップ、意思表示と価値判断)
  2. それを実現するための策とは何か?(企業戦略)
  3. 戦略を実行するためにどのような実行課題があるか?(KFC)
  4. そのためには、どんな経験や能力、行動スタイルをもった人材がフィットしてるか?(人材)
  5. その人材の貢献をどのように評価する仕組みが必要なのか(公式の組織)
  6. その人たちはどういう仕事のやり方をすれば能力を発揮しやすいのか?(組織カルチャー)

 

自分の場合は、企業の部分を「組織」に置き換えですかね(といっても平社員ですがw)。

ただ、5については人事の問題なのでなかなか介入するのが難しいかなと。

それ以外の部分については、自分の直属の経営層と打ち合わせができて、一緒に動くことができるかどうか(経営層にその課題認識があるかどうかも大切ですが)といったところでしょうか。

 

いずれにせよ、本書でも書かれている通り、トップダウンだけではダメ。

ボトムアップだけでもダメ。

トップダウンとボトムアップがミートするしない限りは、組織変革は起こしえないでしょうね。

 

 

まとめ

仕事上で、組織同士のコミュニケーションの悪さに辟易する場面に出くわしたことがきっかけで、組織論について学ぶ必要があるなと思い読み始めました。

新規事業の提案だったんですが、謎な理由で反対されるという結末に(まあ、その後案をなんとか通したのですがw)。

一人ひとりは悪くないけど、組織として対峙した際に何故か上手くいかない…そんな悩みにドンピシャな内容でした。

特に新規事業がうまくいかない方や組織について不満がある方などは読んでみると何か気づきがあると思います。 

とても良書でした。