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30代共働き庶民のサラリーマンです。育児と趣味(ファッション・読書・映画・旅行・アウトドアなど)と時々仕事についての覚え書き。

組織とはどうあるべきなのか。【読書感想その②】両利きの組織をつくるー大企業病を打破する「攻めと守りの経営」ー/加藤雅則


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前回から引き続き、両利きの組織を作るです。

 

自分が勉強したことがない分野というのとは、どうしてもメモとして残しておきたい内容が多くなってしまいますね…。

まあ、それだけ良書だとも言えますが。

 

読み始めは、自分の新規プロジェクトを他部署に邪魔されたことから始まりましたがw

現在、自分の部署の変革プロジェクトに参加させられていることもあり(かっこつけてみましたが、実際はこんなにかっこいい内容ではないですw)、とても参考になりました。 

 

 

さて、それでは早速本題にはいりましょう。

今回は本書の中での組織の定義的な部分など、前回のブログ内容で書けなかった部分の補足となります。

 

 

1.組織経営論とは

そもそも、本書は純粋に組織論だけを語っているわけではなく、戦略論とセットで語っている。

その理由としては、組織が変わることへの共通イメージが持たれにくい理由として、「戦略を欠いたまま組織論だけが語られるパターン」があるからです(組織論について語るが、事業戦略や経営的視点に結び付いていないなど)。

 

端的に言えば、組織論だけ語っても成果に結びつかなければね…ってところでしょうか。

 

じゃあ、組織経営論とは何かというと…

企業の存在目的(WHY)に対して、戦略(WHAT)と組織(HOW)は車の両輪の関係にある。

存在目的のために戦略論があり、その戦略を実行するために組織論がある。

「何のために、何を、どうやるのか」

 

組織経営論と言うのがなにかとても分かりやすかったです。

そして、自分の経験上往々にしてあるのが、最初は存在目的から始まったものが、いつのまにか手段が目的化していること。

戦略論と組織論をセットで考えるにあたっても、やはり存在目的に立ち返ることが大切なと思いました。

 

 

2.コングルエンス・モデル

戦略、組織といったところで、漠然としていて分かりにくいと思います。

そこで、本書では組織という漠としたイメージを与えてくれるモデルとして、コングルエンス・モデルが活用されています。

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この要素を作り直していくことが組織進化となります。

 

自分の所属で振り返ると…

まずは、戦略・目標の部分から問い直す必要がありますね。

というか、そこも含めて社内の変革プロジェクトに参加させられているわけなので…。

 

そして、KFC、人材、組織カルチャー、公式の組織…を詰めていくと(まあ、始まったばっかりなので全然詰まっていないのですがw)。

 

議論を進めていくうえで、どういう風に進めていくのかはかなりの重要度を占めると思っているので、このモデル(フレームワーク)はとても参考になりますね。

 

ただ、併せてやはり戦略の方も勉強していく必要があると感じました(自分の知識の少なさに絶望ですね…w)。

 

 

3.組織の移行への課題

①移行期の組織の心理的変化プロセス

当然、誰もが経験したことがある感情ですが、組織の方針やらルールやらがドラスティックに変わる場合に、大きなストレスが生じて、反発されることが往々にしてあると思います。

 

その移行期の組織の心理的変化プロセスが

現状満足→変化への反発→自身への不安→自他ともに刷新

となります。

 

これを乗り越えるための、組織進化、トップダウンとボトムアップのミートといった手法が必要になってくるということ。

 

 

②問題のすり替え

一方で、もう一つ。

心理的な「抵抗」に対しては「適応課題」という考え方が有効であるとしており、組織の問題は以下の2種類あるとしている。

  • 技術的問題
    新しいスキルや知識があれば解ける問題(正解のある問題)。
  • 適応課題
    当事者自身が適応しなければ解決できない課題(答えのない問題)。
    問題の特定や解決には学習が必要。

これまでの慣れたやり方を捨てて、新たな仕事のやり方を作り出すのは「適応課題」である。

変革に際して心理的な「抵抗」を生みやすいのが適応課題であり、当事者が真正面から向きあうまで、繰り返しパターンとなって現出する問題だ。

組織の抱える厄介な問題の多くはこの適応課題なのである。

 

また、特に組織開発の現場では、本来は適応課題であるはずなのに、技術的問題としてしまう「問題のすり替え」がおきる。

 

特に部長層が「適応課題」から逃げており、部長が業務タスクのマイクロ・マネジメントに走り、人・組織のマネジメントを行っていないことが多い。

 

じゃあ、これらに対して具体的にどのようにアプローチしていくべきなのか?

 

それは「対話」を通して「こうあるべき」「こうでなければならない」という前提解きほぐしていく必要がある。

 

そうして、対話によって現状に対する見方をすり合わせ、共通認識を醸成したうえで、ビジョンを実現するために「部としてどんな組織能力が必要なのか」について主に以下の3点について対話をする。

 

  1. 新しく何を始める必要があるのか
  2. そのために、何をあきらめる必要があるのか
  3. 一方で、何は継続(強化)するのか

 

である。

 

これについては、自分のもやもやがうまく言語化されており、物凄くすっきりしました。

最近、あったことで「能力」的にできないと言うことで反発を食らったのですが、大体は本当にそうなのか??と思っていました。

むしろ、問題は適応課題の方なのに、技術的問題を盾にしてきたなというのが現状でした。

 

まあ、本音と建前と言ってしまえばですが、いかに新しいことに取り組んでもらうかとなった場合に、やはり「対話」というのがベストな手段だと自分も思います。

 

ここで肝心なのが、管理職の仕事への認識ですね。

正直、マイクロ・マネジメントをしている方が楽ですし、自分の自尊心も満たされますからねw

ただ、併せて管理職に細かい仕事が入ってしまっているという、人材不足・人手不足の問題もありそうですが。

 

 

4.まとめ

とても骨のあるいい本でした。

トップ層から下までそれぞれが役割を果たしていくことが重要であること。

組織的なアプローチ方法があることを認識したうえで取り組んでいくこと(うまくいかないことを個人・相手の責任にはしない)。

「対話」をして、じっくりと意識や意見を形成していくこと。

これらの大切さを改めて感じました。

コロナ禍の中で会社でのコミュニケーション方法が変容している中で、どのように「対話」をしていくのかは今後の課題にもなりそうですが。