ずっと前に買ってそのままだったのを昨日久しぶりに読んでみました。
学生の時はほぼ毎日小説読んでたけど、最近はビジネス本ばっかりで本当に久々に読んだ気がします。
題名に書いてある通り、どこがいいのか分からないけど、とてもいい小説でした(分からないというよりも、うまく説明できないといった感じです。紛らわしくてすみませんw)。
ちょっと仕事とかプライベートで疲れてるときにいい小説は心を整えてくれますよね。
最近の作家事情に疎くて、あとで調べたら直木賞作家さんなんですね。受賞作も読みたくなりました。
以外、感想含むネタバレ。
〜あらすじ〜
山田なぎさは、片田舎に住む「早く大人になりたい」と願う女子中学生。ある日、彼女の通う中学に、自分のことを「人魚」と言い張る少女・海野藻屑が、東京から転校してくる。藻屑に振り回されるなぎさだが、藻屑の秘密に触れていくにつれ親交を深めていく。しかし、藻屑の父親である海野雅愛の虐待が悪化の一途を辿ると同時に、なぎさと藻屑に別れの時が迫っていた。(wikipediaより)
そう、題名にも書いたのですが具体的に何がいいのか、どこがいいと思ったのかを言葉にするのが難しいなと思いました。
伊坂幸太郎のような構成の面白さとか、浅田次郎みたいな人情みたいなものを描いているわけではないし(この二人が単純ってわけじゃないですよ!むしろ二人ともとても好きな作家さんです!)
内容も最初に結末があってそれに向かって進んでいく。内容自体も結構ヘビーで、清々しい話しでは全くない。それでも読後のすっきりとした感じはなんなんだろうと。
うーん、やっぱり人物描写の旨さかなと。すっかり海野藻屑にはまってましたからw
自分のことを人魚と言い張るし、変な行動とる。けど、どこか憎めない。そして、父親からの虐待を受けてもそれが愛だと思い、父親を庇う。(ストックホルム症候群であるのかもしれないけど)
また山田なぎさに対しても彼女なりの優しさで接する。自分の死を察してても、健気に生きようとする。
最後に担任の先生が、「本当に生きようとしてたのか?」って言うシーンがあるけれど、僕は彼女は生きるのに必死だったと思う。生きようと思わない人間は他の人に関わったり、父親に嘘をついたりしないだろう。ただ、それよりも父親への愛情や優しさが勝っただけなんじゃないかなと。
とすっかり海野藻屑に感情移入している時点で(最初の時点で殺されるって分かってるのに、途中から死なないで欲しいなって読んでたからなw)、結局のところ桜庭さんの描写力にハマってるってことなんですけどね。
ペットボトル投げたりとか、ふてくされたりとか細かい描写が本当にいいんです。
機会があったら是非手に取ってみてください。
おススメの1冊です。