昨年の年末にNHKでやっていた「未知のイソラド 最後のひとり」を観て以来、ちょっと人類史に興味を持って手にした本。
そーいえば、人類史なんて勉強したことなかったなぁと。
博物館とか好きなので、興味はあったのですが人類史という学問?があることを知りませんでした。
実はきっかけは去年見た番組「未知のイソラド 最後の一人」。
NHKのドキュメンタリーなのですが、これが本当に凄かったです。
去年見た映像作品の何よりも心を揺さぶられました。
そんな興奮冷めやらぬ中、読んだのが今回の「絶滅の人類史」。
面白かったですね〜。
そして、凄く勉強になりました。
1.ダーウィンの進化論
『ダーウィンの主な主張は次の3つにまとめられる。(1)生物は進化すること、(2)進化によって種分化が起きること、(3)自然選択が進化のメカニズムであること、の3つである。』
ダーウィンの進化論って進化を語る上では凄く重要(らしいです)。
自分も読んだことはないので、進化論自体も今度時間があれば読みたいですね。
ちなみにダーウィンとほぼ同じタイミングでウォレスという方も進化論について発見していたみたいです。
↓この記事もなかなか面白かったです。
進化論の元祖ダーウィンとウォレス、どちらが偉い?(更科 功) | ブルーバックス | 講談社(1/3)gendai.ismedia.jp
2.ヒトは特別なのか?
『現在生きているヒトは25種以上いた人類の最後の種』
これにはびっくりしました。
人類が最低でも25種(現在化石が見つかっているものが25種らしいです。)いたということ。
そして、今回最もなるほどと思った考え方がこれ。
『ヒトが特別な理由は、①実際に生物の中で変わった特徴を持っている。②ヒトにもっとも近縁な生物から25番目に近縁な生物まではすべて絶滅していて、26番目に近縁な生物生物(チンパンジーとボノボ)と比較しているからだ。』
そう、ヒトって他の生物と比べてものすごく変わっているけれど、なぜなのかというのが凄く腑に落ちました。
そりゃあ、間に25番目(もしかしたらそれ以上の)もいたのに、いきなり1位と26位を比べてしまうとそうなりますよねとw
ちなみに本には人類の特徴についてこうも書かれている。
「最初に進化した人類の特徴は2つある。直立歩行と犬歯の縮小だ。」
この直立二足歩行と犬歯の縮小には実は密接な関係があるんです。
(このあたりの関係に興味がある方は是非本書を読んでみてください。)
3.今の人類について
「つい私たちは、進化において「優れたものが勝ち残る」と思ってしまう。でも、実際にはそうではなくて、進化では「子供を多く残したほうが生き残る」のである。「優れたものが勝ち残る」ケースはただ1つだけだ。「優れていた」せいで「子供を多く残せた」ケースだけなのだ。」
進化の考え方として、優れた種が勝ち残るというイメージが凄く強かったのですが、結果として生き残るものが強いんですよね。
ただ、この部分を読んでいてちょうどこの前、仕事先の人との話を思い出しました。
「家畜と呼ばれる動物」は恐らくものすごい数の子供を残していて、それだけ見れば種の繁栄と思われます。
だけど、個で見ると果たしてそれは…という。
まあ、ちょうどビーガン料理屋さんに入ったのでこんな話になりましたが、何とも言えないですよね。
さて、本題に戻って。
議論の展開の中で、”人類が凄く優しい”というとらえ方をしているところが、この著者の面白いところだなと思いました。
むしろ今の学説では”残虐者であるホモサピエンス”という考え方はしていないみたいですね。
『旧ソ連の生態学者であるゲオルギー・ガウゼ(1910~1986)は、「同じ生態的地位を占める2種は、同じ場所に共存できない」というガウゼの法則を示した。』
つまり、多くの絶滅しそうな生物は人類が増えることで、生息地を人間に奪われて絶滅しそうなのだと。
同様に 、他の人類もヒトが増えたからこそ、生息地を奪われて絶滅していったと考えるのが自然なのでしょう。
こういった他の人類を虐殺して今の地位を気づいたわけではないというのは新鮮でした。
自分たちの小さい頃は、他の人類を戦って生き残った末のヒトであるため、凄く狂暴であるといった考え方が強かった気がします。
しかも、ホモサピエンスは他のヒトと交配をしていたという事実があるようです。
また、ホモサピエンスは相手にDNAをほとんど渡さなかったらしいです。
逆に言うと、他のヒトのDNAは今のホモサピエンスに取り込まれていると考えると凄く面白ですよね。
学説も時代によって変化するし、歴史だって変わる。
だからこそ、学び続ける必要があるし、本を読むことは面白いと改めて気づかせてくれました。