著者:池上彰
出版社:海竜社
引き続き、家に置いてあった池上彰さんの本。
政治の本もためになったし、経済の本も読んでおくかということで読むことに。
割と序盤は、経済というよりも身近なお金のことについて。
ここらへんはさすが、池上さんですね。
身近なことの話を例に取り、全体的な話に繋げていく。
興味を持ちやすいですよね。
ちなみに個人的に勉強になったのはリーマン・ショックの成り立ち。
そもそもサブプライムローンとは
- 金利を高く設定し
- 住宅ローンの返済が止まれば、貸した側は担保の土地と住宅をとりあげて競売にかける
- 借りる側も担保を取り上げられたらそれでおしまい
というもの。
まあ、土地や住宅価格が右肩上がりであることを想定したローンですよね。
この債権(返してもらえないリスク)を投資銀行は証券にして、他人にリスクを渡そうと考えました。
さらにその際、投資銀行はリスク分散の観点から他の債権と一緒にパッケージ化して販売。
このリスクを軽くしたために格付けが「トリプルA」となり、購入者が続出。
さらにこのパッケージ商品がさらにほかの投資銀行によって別のパッケージ商品になるという…。
金融マン…恐るべしですね。
結果として住宅価格が下落し、サブプライムで大損している会社があるかもということで、とりあえず現金を持っておこうとなり、現金の流れが止まりました。
さらに、ヘッジファンドがお金が必要になり、大量の株を売る事態に…。
そこから原油価格の高騰と穀物価格の高騰へとも繋がっていきました。
リーマンショックまでの一連の流れはこんなところかと(本には詳しくかつ分かりやすく書いてあります)。
それにしても恐ろしいですね。
何が恐ろしいかというと、世の中の”頭のいい”人達がこの仕組みを考えて実行したこと。
不動産価格が右肩上がりということが前提で、すべての話が組まれているので、とてもリスクが高いのではないかと…。
恐らく作った人はリスクを承知でこの金融商品を作っていたと思います。
マネーゲームの中で勝ち逃げできればいい…そんなところでしょうか。
実際にマンション投資や金融商品を買って、大損をしてしまうニュースも結構あります。
池上さんも言っていますが、日本人は投資の知識が不足しているとよく言われます(アメリカでは小さいころから株について学ぶそうですね)。
”頭のいい”人たちに騙されないためにも経済・金融について学ぶことは重要だなと改めて思いました。