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30代共働き庶民のサラリーマンです。育児と趣味(ファッション・読書・映画・旅行・アウトドアなど)と時々仕事についての覚え書き。

新型コロナ対応で試されるリーダーシップ【読書感想】大局観


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新型コロナにおいてもっとも顕著になったことの一つは政治家のリーダーシップ。

今回、安倍首相を始めとした国の政治家はもちろんのこと、都知事、県知事レベルから市長レベルまで、国、都道府県、市町村のトップでリーダーシップの有無が大きく現れたと思います。

 

個人的には一番リーダーシップを発揮したのは千葉市長ではないでしょうか。

 

その反対に千葉県知事は大きく評価を落としたと言えるでしょう。

 

そもそもそもそも政治家というのは、税金の使いみちを決定する人達。

誰に何のためにいくら使うのか。

その使い道が国民や県民や市民に納得感のある内容かどうかがとても大切だと思います。

それと同時に、「今」だけでなく「未来」も見通すこと。

単なるバラマキだけでは、次世代への負担が高まるのも事実。

 

平時の時にはどんな人がリーダーであってもそれなりに行政組織や会社組織が機能するのでよっぽどでない限り悪目立ちはしませんが、やはりこういった難局に対しては「リーダーの差」が大きく出てくるところですね。

 

もちろん、自分がこういった時期にリーダーをやれと言われてうまく回す自信は全くないですが(言い切っちゃいましたがw)、冷たい言い方ですが、首長たる人達はそれをするのが仕事ですからね。

 

もちろん、それに見合う報酬は受けていいとも思っています。

そんなことをコロナ対応の中でぼんやりと考えている今日この頃。。。

 

さて、前置きが長くなりましたが今回読んだ本はこちら。

 

大局観 (日経ビジネス人文庫)

大局観 (日経ビジネス人文庫)

  • 作者:出口 治明
  • 発売日: 2015/08/04
  • メディア: 文庫
 

 

 

ライフネット生命の創設者である出口さんの著書です。

相変わらずの出口さん節というところで、何冊か著作を読んでいることもあって、新しくというよりも改めて勉強になりました。

 

 

 

 

 

1.リーダーの役割とは

組織が危急存亡の際、どちらに行ったらいいかを見極め、メンバーをその方向に進ませるのが、リーダーの役割です。

その通りですよね。

リーダーの役割と言えば、細かく言えばマネジメントやら進捗管理やら組織の士気をあげるやらってたくさんあると思うんです。

(以前に読んでいた本にも書いてあり、もちろん役立ちました。) 

こんなものを読む歳になってしまいました…【読書感想】上司1年目の教科書 自分の頭で考える部下の育て方 - なすが食べられるようになりました。

 

 

見習いたいなあ。【読書録】リーダーの現場力 - なすが食べられるようになりました。

 

もちろん、これらは良いリーダーを構成する要素であり、とても大切な内容です(というか自分のリーダーにはこうあってほしいと思いますし)。

 

ただ、一方でリーダーの存在意義を問われるとまさにこの通りだと思います。

この点で言えば、東日本大震災の際に民主党はリーダーとしての存在意義を示せなかったなと(細かい施策の評価ではなく、イメージとしての評価です)。

 

ちょっと話は変わりますが、こういう時に必ず出てくる政治家の給与返上。

mainichi.jp

 

正直、自分は全く賛成ではないです。

国の行く末を決める人たちには可能な限り優秀な人たちになって欲しいし、給与が低くてお金に困るからといって癒着見たなことも起きて欲しくはない。

むしろ、もっと上げてもいいくらいだとも思っている。

だって、国の税金に対する政治家の人件費なんてたかが知れているはずだから(調べてないから感覚だけど)。

 

そんなことよりも、リーダーとしての力を発揮してほしいと思っています。

国会議員はもちろんのこと市議や県議だってその地域の顔役だ。

自分の地盤(地域)で何ができるか考え、実行してほしい。

議会に出て、質問したり、地域住民の『御用聞き』をやるだけが仕事じゃないと思う。

 

有事の際に地域のリーダーとしての側面を出していってもいいのではないかと。

議会が休みだからこそ、出来ることというのを考えて実行する。

そういった政治家であって欲しいと思います。

地域にカネを引っ張ってくるだけじゃなく。

 

まあ、心情的な部分で一部返納するっていうのはあるとは思いますが。

 

 

2.大局観とは何か

何かが起こったとき、東西南北のどの方向に行けばその組織は生き残れるかがわかる能力、これを「大局観」と言います。平たく言えば「行きたいところがある」あるいは「やりたいことがある」ということです。

組織の方向性を示してくれるということですね。

自分も基本的に上司最も望んでいる仕事は、「正しい決断」だと考えています。

 

さて、大局観を持つためには、

サルが木を登るように、目線を高くすることが必要です。とにかく対象から離れなければ、全体像は見えてきません。そして、そのためには「歴史」と「世界」という縦横2つの思考軸を活用するのが一番です。

これは、よく出口氏がいろんな著書で話されていることですね。

「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」とはよく言われますしね。

 

今回のコロナに対しては世界同時パンデミックというのもありますが、色々なところでこの思考軸は活かされているのではないでしょうか。

「歴史」という点では身近なところでは、トイレットペーパーがなくなるということ。

今の日本人であればみんなオイルショックでトイレットペーパーがなくなったという認識は持っているはず。

そのため、「ああこれはなくなるな」でも「すぐに復活するだろうな」と楽観的に見れました。

 

また、今回のマスクに関する転売についても「台湾」がやはりリーダーシップを発揮して方と思います。問題になってくるのはマスクの「買い占め」よりも転売でしょう。

これをいち早く規制できるようにした「台湾」のIT大臣の手腕はお見事と言わざる負えません。

(ちなみに4月現在、台湾ではコンビニでマスクが購入できる状況とのことです)

 

また、思考軸を持つべきだいうこと。

ちなみに出口氏の思考軸としては…

①人間は動物である

②人間はそれほど賢くない

③人生は「イエス・ノーゲーム」

④すべてのものは「トレードオフ」

⑤「大勢の人」を「長い間」だますことはできない

 

 

②③④はすごく共感が持てます。

⑤については今回、新しい考えだなと思いました。

でも、確かにその通りだなと。

 

商品で言うベストセラーのものでマーケティングがうまく刹那的に売り上げを伸ばすものはあっても、商品の「質」が悪いものはないですからね。

 

 

3.直観について

少し意外だったのは出口氏が直感をもとも信頼できる意思決定の方針としていることでした。

直感というのは、その計算のプロセスを自分でも意識できないスピードで「脳をフル回転させて得たアウトプット」であり、言語化はできなくても、単に直情的に行動するのとはまったく違う性格のものなのです。そして、この直感は「ストックしてある知識や情報=インプット」の量が多ければ多いほど精度が上がります。

なるほどなーと。

直感についてわかりやすく説明されていたのは初めてだったので目から鱗でした。

自分も直感を結構大切にしているほうだったのですが(むしろ学生時代なんて直感だけ生きていた気がしますw)、ビジネスの場に出てロジカルシンキングが全くできていないことですごく苦労しました。

直感の反意語がロジカルシンキングというわけでもないのでしょうか、どこかで直感で動いてはいけないというのが頭の片隅にありました(もちろん、ロジカルシンキングについても学んだので、社会人一年目とおなじわけではないですがw)。

 

ただ、ここで出口氏が言う「直感」はもちろん、ロジカルシンキングの機能を兼ね添えた脳が知識や情報の網をくぐらせることで出した「答え」ということなのでしょう。

自分も「直感」をもっと信じられるように努力していきたいなと改めて思いました。

 

 

4.まとめ

久しぶりに出口さんの書籍を読みましたが、やっぱり面白かったですね。

特にこの時期というのもあるかもしれません。

また、「何か基準になる数字は必ず覚えていて、常にそれと比較するようにしたほうがいい、これが私の考え方だ」と産業技術総合研究所の中西氏の言葉を引用していますが、やはり知識が多いことは(だけではダメだけど)、正しい考え方ひいては決断力の高さにつながるのでしょう。

このあたりは、前回読んだ「欲望の時代を哲学する」でも思ったことですね。

 

社会人の方は一度、読んでみると面白い気づきが得られると思いますよ!